6シグマ 社長さんへの手紙 |
アメリカの住宅市場を舞台としたサブプライム・ショック問題を契機に落ち込んだ景気も、ここにきて底を見せたような観があります。倒産する企業や廃業する企業も少なくなったという見方もあります。こうした中で、社長さんの会社自慢のハイテク製品の売上げダウンはなく、順調に推移してきています。本当によかったですね。 |
主要な調達品は、 これからも、取引先の企業がどのような問題に遭遇するか予想が難しいものです。しかし、どんな競争状況の変化があるかを想定し、少なくても「これといった問題」についてはすぐ対応できる準備をしておきたいものです。 確かに、複数の会社から調達するようにすれば、1回の発注量が少なくなり、コスト維持やダウンの要請が難しくなります。しかし、部品の調達ができなくなり、操業をストップするようなリスクは回避できます。社長さんの会社でも「BCP(緊急時企業存続計画、事業継続計画)」を検討しておきたいものです。主要部品を汎用品に置き換える設計の検討もすべきですが、先ずはセカンドソースの検討から始めましょう。2009.9.15 |
一般的に、単一製品の製造・販売を中核事業とする中小企業の経営にあって、製品を構成する主要部品の調達を外部一社に依存している場合、「BCP(事業継続計画)」を検討することの重大性、緊急性は分かりやすい。ここでは主要部品の調達先に、何か緊急事態が突然発生し、供給を受けられなくなれば、廃業に追い込まれることさえあり得るとして、第二の調達先を開拓することが「BCP」である。 「6シグマ」には、「DMAIC」というロードアアップに沿った実践ツールがある。「日本版6シグマ」では、「DMAIC」に代わる「W型問題解決フロー」に沿った問題解決技法「BSTプログラム」が用意されている。ここでは、「BSTプログラム」の案内を兼ねて、「第二の調達先の開拓」という「6シグマ課題」について、そのアプローチ方法を概説しておくこととしたい。 第一ステップは、既に述べたように、経営トップの社長自身が、「我社の最主要製品の製造・販売事業の維持・安定化のため、主要部品について、第二の調達先を開拓しなければならない」というて問題認識を明確にし、会社全体で共有化するラウンドである。 |