6シグマ 社長さんへの手紙 |
今年の春、ご子息が大手商社に入社されたそうですね。大変嬉しそうに自慢していると従業員の方からお聞きしました。初任給も大変高く、夏にはボーナスを結構もらったということでした。社長さんにとっては、大変喜ばしいことかもしれません。ご自慢の息子さんなのでしょう。でもあまり自慢話をしないで下さい。 社長さんの会社の従業員は、息子さんとは大きな年齢差があります。仕事の経験や能力の面でも息子さんとは大きな違いがあります。彼らは朝早く出勤し、残業も厭わず働いてくれています。それも油まみれになって、手足を真っ黒にしてです。皆さんは御社の発展に大きく貢献してくれました。しかし、現在の給料もボーナスも、商社の新入社員の息子さんとあまり大きな差はないようです。 |
息子の高い給料を引き合いに 社長さんは、息子さんを御社の後継者として考えておられますか。「今、息子は他人の釜の飯を食って修行中」ということであれば話は違ってきます。修行して戻って会社を継承し、発展させ、「皆さんにもっと高い給料を払えるようにしたい」という話なら理解できます。 この際、御社の経営状態をすべて従業員に公開されては如何ですか。そして、息子さんの給料を引き合いに、「今までの協力有難う。皆さんに、もっと高い給料を払える会社にしたい。どうしたら、もっと売上を伸ばし、収益を上げられるか、皆で知恵を出し合おう」と率直に、全社上げての業務改革を呼びかけてみませんか。きっと社内の雰囲気が変わると思います。(2008.1.5 中小企業診断士 加藤文男) |
ここで中小企業の社長さんが言っている「我社も、どうしたらもっと売り上げを伸ばし、収益を上げ、高い給料を払える会社にできるか?」は、「6シグマ経営」の課題そのものである。社長のリーダーシップと現場のヤル気を一体化し、顧客が要求する品質と量を納期通りに届けられるようにする業務改革に向けた全社的な問題解決活動が「6シグマ経営」である。 このプログラムには、二つの適用分野がある。一つは、日常の定型業務で、比較的単純な反復作業からバラツキを取り除く業務改善への適用である。二つは、大きくて複雑な課題解決が上手くようにするプロジェクトマネジメントへの適用である。 |