日本版
6シグマ
社長さんへの手紙

学生さんへの工具の使い方研修について!

  この度、社長さんが、理工学部の学生さんに工場で使用しているいろいろな工具の種類や目的や使い方を指導されていると伺いました。現在では、簡単な工具を使えない学生が増えているようです。理工学部の学生でも例外ではないようです。このような学生に工具の使い方を指導する機会が持てたということは大変貴重な体験です。
 
 私ども小さい頃は、親が棚を作ったり、家具を修理したりするのをそばで眺めながら、ノミやカンナやノコギリ等の工具の使い方を学んだものです。最近は、なんでも業者任せになってしまっています。昔は、部品や材料を集め、組み立品をつくる方が経済的でしたが、今は完成品を購入した方が品質も良く、経済的になりました。子供達にとって、家庭で工具の使い方を学ぶチャンスも少なくなりました。


学生の指導を社員に手伝わせては 
 工具の使い方研修は、最近問題になっている技術・技能伝承の基本部分です。ぜひ継続して戴きたいものです。ただ研修の仕方については、ひと工夫したいものです。社長さんにとって、大学生の指導は嬉しくやりがいもあることでしょう。社員に誇ることもできます。しかし、この研修をもっと会社に生かす方法を考えてみませんか。

 社員の中には、今回指導している工具の使い方をまだマスターしていない人もいると聞きました。また、社員全員が社長の期待するほど工具を正しく、上手に使用できているとは思えません。
 この際ですから、学生の指導を社員に手伝わせてはどうでしょうか。社員も大学生を指導するとなれば、工具について勉強するきっかけになります。工場の様々な作業の安全性、作業の効率化の面から、自前の工具を工夫するところまで発展すれば言うことなしです。会社全体に意味のある教育の一環通して取り組んではいかがと思います。ご検討いただければ幸いです。(2006.12.12
 中小企業診断士 加藤文男)


「日本版6シグマ」からの提案
工場の安全、効率化の面から
工具を見直す機会に!

「日本版6シグマ」の出発点は、工場のものづくりにあって、百万回のオペレーションのうちミスが3.4回という「6シグマレベル」を目指す業務改善活動である。
 最近の工場にあっては、材料の仕込みや成型、仕上げ、組立、検査等の作業工程は自動化が進んでいる。しかし、「6シグマ」を目指す上で、さらなる作業の安全性、作業ミスの防止、作業の効率化の面から、様々な工具類の工夫は欠かせない。
 
 現在、各工程でなくてはならない存在となっている、これらの工具類は、現場で働く人々の試行錯誤の中で、様々なアイデアや創意工夫が集約された、工場の財産として伝承されてきた技術・技能の典型である。今後の工場のものづくりにあって、品質、コスト、スピード面での「6シグマ・クオリティ」の実現に欠かせないツールとして、これからも伝承し、発展させていかなければならないものである。


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