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BMM【Belhyud Mail Media】 No.92
2006.7.5発行 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6シグマとは
「6シグマ」は、1979年、日本のポケベル市場に参入しようとしたアメリカの通信機メーカ、モトローラ社が日本のメーカと比較して自社の不良率の高さに驚き、品質改善活動に懸命に取り組んだことが発端になったと言われている。
「6シグマ」とは、統計学上の概念である標準偏差「σ」の6倍の範囲内に品質のバラツキを押さえようとする考え方である。
6シグマとは、「ものづくり」で言えば、歩留まりを6σ、つまり99.99966%、言え変えれば100万個の製品から3.4個程度の不良品しか出さない歩留まりを実現するために、関連するあらゆる基本業務について、効率向上とバラツキの低減を目的に、組織的に継続的に「QCD改善:優れた結果を低コストで短期間で実現するための業務改善」に取り組む問題解決活動である。
アメリカの「6シグマ」
アメリカの「6シグマ」は、経営トップから研究、開発、製造、営業のあらゆる現場で、「At
The Customer For The Customer
」の視点から、「VOC:Voice Of
Customer」の軽視や品質に関する内的問題「CTQ:Critical
To
Quality」や業務遂行上の能力の低さやエラー、欠陥による無駄なコスト「COPQ:Cost OfPoor Quality」の発生を限りなくゼロに近づけるために、経営トップ層の厳しいリーダーシップのもと現場社員が一体となって取り組んだ組織的問題解決活動であった。
アメリカの企業には、この「6シグマ活動」に勝算があった。日本の品質管理は精密機械や乗用車、電子機器といった製品に限られ、製造すること以外には応用されていなかった。日本は品質向上のプログラムを製造現場のボトムアップ的な小集団活動に限り、経営や業務全体の課題解決やプロセス改善に向けようとはしていなかった。アメリカの企業は、この「6シグマ」を経営革新のための手法として位置づけ、もし、製品をつくること以外にホワイトカラーを中心とした経営の方針や課題の設定、意志決定の質的向上、業務プロセスの改善のための「問題解決活動」にまで応用した「6シグマ活動」を展開するならば、品質競争においても日本企業に勝てると考えたのである。
アメリカの「6シグマ」は品質改善のための問題解決活動として、「ベスト・プラクティス運動」の流れに乗って、テキサスインストルメント、IBM、アライドシグナル等、従来型大企業を中心に暫時広がりを見せ、アメリカの「モノづくり復活」につながっていった。中でも1995年になって、GEのジャック・ウエルチが導入を決意し、「GE版」とも言うべき6シグマ活動を展開し、大きな成果を上げ、ジャック・ウエルチは世界でもっとも尊敬される経営者と評価されるようになった。6シグマの存在は、このジャック・ウエルチの成功によって、世界各国に一気に知られる結果になり、欧州企業やアジア企業にも広がり、今日に至っている。
GE版6シグマ
ジャック・ウエルチは、「6シグマ」は集中的管理、官僚的、画一的評価という側面が強く、自分の経営戦略に逆行するのではないかと懸念していた。しかし、95年になって、「6シグマ」をGEの成長、収益、社員の満足度向上を実現する武器として導入する決心をした。その後、ジャックウエルチはGEを世界トップレベルの企業に導くことに成功したが、21世紀に向けての「No.1事業戦略」のもと、社員としての「意識の持ち方」と「業務への取り組み方」について、一人一人に厳しく自己変革を迫った事が、その強烈な問題意識とリーダーシップとともに伝説的な語り草になっている。
経営トップの理念や方針、価値観を理解し、経営が掲げた課題に対して成果を出すために、自らの行動や業務を革新的に創造する社員を重視した一方で、そうした路線に対応できない、指示命令でしか動かない社員、チェックと管理しかできない幹部社員を排除し、その結果80年代の終わりには、GEはスリムで活力あふれる組織に生まれ変わった。
この時点で、既に10万人の従業員がGEを去っており、このジャック・ウエルチの「組織変革」に対して、コロンビア大学のカービー・ウオレン教授は、やや揶揄の意を込めて「ずいぶん大量の人員を整理(People
Out)したね。さて、仕事の整理(Work
Out)はいつになるのかね」と尋ねたというエピソードが伝えられている。
しかし、その後の「GE版6シグマ」を見ると、ジャック・ウエルチはカービー・ウオレン教授の「Work Out」という概念を大いに気に入り、「People Out」とともに21世紀に向けての生き残りをかけた「No.1事業戦略」を実現するための基本概念として位置づけていったと理解することができる。
@ No.1事業戦略
GEの6シグマ導入は1995年であった。従って直接的関係は薄いが、1981年、ジャック・ウエルチはGEのCEOに就任と同時に、結果的に、その後の「GE版6シグマ活動」の布石となった「ある戦略」を発表している。それまでアメリカは、鉄鋼、繊維、造船、テレビ、計算機、自動車等の分野で、世界市場を支配していた。しかし、日本の低価格、高品質製品の追い上げを受け、輸出力は急激に弱体化していた。そこでジャック・ウエルチは、これからは国際的な視野を持つ企業が、次々と世界の舞台に飛び出してくることを予測し、こうした競争に勝つためには、生産性の低い事業は整理しなければならないと考えた。そこで、21世紀に世界でナンバーワンかナンバーツウを目指せる事業に絞って重点化することとし、それ以外の事業は譲渡するか、撤退するという「21世紀に向けての企業戦略」をとる決意を行った。いわゆる「No.1事業戦略」である。
A People Out
ジャック・ウエルチは、生産性の低い事業とともに大量の管理職や従業員を厳しく整理した。つまり、カービー・ウオレン教授の言う「People Out」である。しかし、「People
Out」は、単に人員の解雇や整理だけを意味するものではない。その後の「GE版6シグマ」の進展をたどれば、それは、「経営理念や方針、価値観を理解し、経営課題を解決するために自らの業務を革新的に創造する社員や組織を重視する」という、ジャック・ウエルチのもっとも基本的な経営思想である「人材育成、組織強化」に関する基本的概念であると同時に、その方向性を意味するものであったと解釈することができる。
B Work Out
一方で、ジャック・ウエルチは、先のカービー・ウオレン教授の「仕事を整理する(Work Out)」というアイデアを大いに気に入っていた。そこで、ビジネススクールの教授やコンサルタントを雇い入れ、大変な熱意を持って、「GE内部の業務がよりよく行われるための方法」の研究を開始した。そして全社を挙げて、この方法を容赦なく、無限に追求していく作業そのものを「Work
Out」と呼ぶようになった。このようにして、「Work
Out」は、GEにおけるすべての現場の問題解決を目的とした主体的な小集団活動として発展し
、さらに単なる製品の品質管理にとどまらず、GEの経営や業務の品質を強化する「GE版6シグマウエイ」として確立されていった。
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BMM【Belhyud Mail Media】 No.92
2006.7.5発行
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【WEB】 http://www.belhyud.com/0.htm
【MAIL】 jin-inoue@belhyud.com
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【発
行】 ベルヒュ−ド研究会
【編
集】 井 上 仁
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