・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
BMM【Belhyud Mail Media】 No.71
2005.8.31発行 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
不可欠な
「創造的情報処理能力」のレベルアップ (2)
情報を独断的にねじ曲げない力
問題意識が強いメンバーで構成されているプロジェクトチームでも、自分が言いたいことを相手に的確に伝えたり、相手の言いたいことを的確に理解したりすることは必ずしもやさしい事ではない。特に、リーダーに対しては、部下の意見や情報は十分に伝わり難いものである。部下が持ってくる情報には、上司にとって都合の悪い情報もある。躊躇や遠慮があったり、緊張したりして、また伝えたいことが十分咀嚼されていなかったりして、部下がしどろもどろになってしまうことも珍しくない。
自分の狭い枠組みでしか考えられない上司は、自分に都合のいい情報が伝えられた時は小躍りして喜び、「それ見給え、君」等と言ってメンバーに高圧的な態度をとったりする。しかし、自分にとって都合の悪い情報に出くわすと、どんなにプロジェクトの進展に役立ちそうな場合でも、「君、そんな事はあり得ないよ。本当はこういうことなんじゃないか」等と、時には荒っぽく、時には陰険に、部下からの情報の解釈をねじ曲げてしまう上司をよく見かける。
一般的に、何か新しいことを受け入れることができるということは、いつも経験や体験を通してである。「ねじ曲げる」ということは、背景となる経験や体験上の情報が不足して場合に見られる。部下からの情報を率直に受け止められず、ねじ曲げて解釈するということは、自分にとって、未経験なことや一面的な理解しかできていないことに対して、独りよがりのドグマテイックな見方や考え方を、部下に押しつけているということでもある。
6シグマプロジェクトにおいては、自分にとって、未経験なことや一面的な理解しかできていないことが多発することは普通だし、むしろ健全なことである。プロジェクトのマネジメントにおいては、「VOC」や「CTQ」の情報収集にしても、「SSP」解決のための「具体策」の列挙にしても、リスクはあるが、そうした未経験な情報や一面的な理解しかできない情報を積極的に素直に受け止めることを原則とすべきである。
データの不十分さを補って読む力
これまで見てきたように、強い問題意識を持って、幅広く情報を集め、ねじ曲げずに率直にその意味を理解しようとすれば、結果的に価値の曖昧な情報の山に埋もれてしまうことになりかねない。しかし、6シグマ活動における情報収集は、曖昧な多様な情報の山から価値ある情報を見つけようとするものではない。どんなに曖昧な情報にも、本質的な意味が隠されている。6シグマ活動で重視していることは、そうした情報が持っている、隠された本質的な意味を引き出そうとする姿勢と実際的な情報処理力である。
客観的な状況や自らの考えや思いやアイデアをデータ化したつもりでも、100%正しく的確に表現することはできない。いつの場合でも、誰の場合でも、言葉や文章によって表現できる内容には限界があり、コミュニケーションによって直接的に伝え合える内容には自ずと限界があるものである。新規なアイデアや着想になればなおさらである。そこで6シグマプロジェクトでは、「君の言いたいことは、こういうことか」、「こんな理解でいいか。僕はこう思うけど、君はどうか」、「いや、そうじゃないんです。こういう事なんです」、「その理由は何?」「その目的は・・・」といったやりとりを習慣化することをお勧めしたい。このような会話を「StareStep」というが、
「Stare Step」によって対話を共振させれば、相互に納得のいく合意を得たり、新しい発見をすることが、それだけ容易になるはずである。とりわけ、プロジェクトリーダーにとって、部下からの情報の表現上の不十分さを丁寧に補って読む姿勢と実際的なコミュニケーション力のレベルアップが大事である。大物の上司に期待される「部下の着想にケチをつけるのではなく、支援し、育てる態度」は、この情報の不十分さを補って読む力がベースになっている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
BMM【Belhyud Mail Media】 No.71
2005.8.31発行
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【WEB】 http://www.belhyud.com/0.htm
【MAIL】 jin-inoue@belhyud.com
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【発
行】 ベルヒュ−ド研究会
【編
集】 井 上 仁
|