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新連載 |
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別部屋で待つ家族のために残すのがマナー アラビアでは家庭に食事を招待されても、その家の奥さんや娘さん達女性は、男性の前に顔を見せない。親と兄弟以外は、どんなに親友であっても、例外ということはないらしい。親しくなったインド人やパキスタン人などのイスラム教徒もおり、用事で彼等の家を訪問したこともあったが、家の中には入れてもらえなかった。住んでいる家がそれほど広くはなく、われわれを家に入れると中には奥さんや娘さんがいて顔を合わせることになるからである。 会社を経営する社長の家の夕食に何度か招待されたことがある。サウジアラビアは、日本からはるかに遠く、おまけにお酒が飲めないということもあって、日本人には敬遠されている国である。イスラム教徒の巡礼者は多くくるが、観光客がくることはほとんどないといった国である。日本人も、本当に必要な場合に限って1日か2日、短期間滞在するだけである。 まず、その家の召し使い又は主人が大きいナイフで丸焼きの子ひつじの肉を切り取り、順番に客のさらの上に給仕をする。丁寧に給仕をするというより、客の皿の上にほうり投げてくれるといった方があたっている。実にダイナミックで、最初は随分と驚かされた。特に子ひつじの脳みそは最高の味とされ、初めての客や主賓に優先的に分けてくれる。 イスラムの世界では、ワインやウイスキー、ビールなどアルコールの入ったものは禁止されている。だから、飲み物は、サイダーやジュースなどのソフトドリンクや砂糖のたっぷり入った紅茶である。ノンアルコールビールといって、ビールに味を似せたアルコールの入らないビールも出さることがあった。当時は、コカコーラは、アラブボイコット(注)の対象企業になっていたので輸入されず、ペプシコーラやファンタが中心であった。ノンアルコールビールは、冷えた番茶を飲んでいるようでおいしいと思えなかった。現在日本で購入できるノンアルコールビールとは、だいぶ味が違う。 来客の食事の席には、女性は勿論、子供も全く顔を見せない。男の子供の場合、15歳を越えると招待席に一緒に出るようになるようである。来客の前から引き下げられた子羊の丸焼きの大皿は、女性や子供達の待つ別室に運ばれる。女性や子供たちは、我々お客の食事の修了を待っているわけである。 中国でも、料理はすべて食べてしまうのではなく、残すのが礼儀である。料理の品数や量が足りなかったのではないかと招いた方が心配するからである。日本では、出された料理は残さずに食べるのが礼儀である。料理を残す、残さないといううマナーでも、国によりこれだけの違いがある。色々な文化と習慣があることを知っていた方がよい。 注:アラブボイコット問題 イスラエルに工場を持つ企業やイスラエル企業と資本関係にある企業、イスラエルへの輸出に協力的な企業は、反アラブ的と言われて、その企業の製品は、サウジアラビア等アラブ諸国では輸入を禁止していた。これらの企業は、特別にリストが作られ、そのリストに掲載されるとその企業の商品は輸入禁止となる。これをアラブボイコット問題という。 |