法然の法語をよむ
ー万人の救われる道ー
著者 梶村 昇
NHK

法然の法語集をもとに、「法然が求めたもの」を忠実にたどってみることにしたい。

法然
選択本本願念仏集
中国の浄土教の大成者「善導」に私淑
善導の主著「観無量寿経疎」を西方の指南と仰ぐ。

延暦寺西塔北谷にある別所黒谷で、天台の教えを学ぶ。
法然はなぜ浄土教を唱えなければならなかったのか。
仏教とは此岸から彼岸に渡るために、娑婆から悟りの世界(西方)に入るために、「戒定慧」の三学を学ぶこと。法然は一心に修業したが、「戒定慧」の三学を守ることを断念せざるを得なかった。しかし、法然は三学を守れる器でない者が救われる道を、あくまでも仏教の中に見つけて行こうとする道を選んだ。

法然がたどりついた念仏
三学を守ろうとしても守れないありのままの人間が救われる道を求め、恵心僧都源信の「往生要集」の念仏に傾注し、「南無阿弥陀仏」と念仏唱えるだけで救われるという体験的結論に達した。

念仏によって救われる教学的根拠を求めて
法然は、「戒定慧」の三学の代わりに、念仏だけで救われるという証拠を仏教文献の中から立証しようとした。

法然の教祖判釈
聖道門
修行して悟りを開くという教え
浄土門
極楽浄土に往生することを願う教え

法然は、「何が往生極楽のための正しい行であるか」について、善導の「観無量寿経疎」の中の「一心に専ら阿弥陀仏のみ名を念じる」という言葉を発掘した。


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