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日本経済が第一変曲点を迎え、企業は生き残りをかけ「経営と組織と個人の新たな関係の構築」を追求し直す時代を迎えました。その関係とは「課題設定に向けての一体性」の追求です。そのためには、「経営トップや幹部職、一般社員の間で、課題コンセプト化のための創造的情報処理プロセスの共有化が不可欠である」という話を、これまでも何回か取り上げてきました。

このことに関連して大阪研究会の堀川さんから、市川亀久弥博士の「等価
変換創造理論」の紹介がありました。説明にありましたように、右の「資料」の
8枚の異なった画像には、ある観点から観察してみると、「分散」という共通し
た本質(等価性)を見ることができます。「等価変換理論」は、様々な事象、情
報をある「問題意識」の視点から観察し、それぞれの存在や意味するところの「違い」を厳しく弁別した上で、表面上の「具体性」を棄て、内面にある共通した「本質」を見つけ出す一連の思考プロセスを理論化したものということができます。
なお、湯川秀樹博士は、創造性の問題の解決の手がかりは「類推」の能力
に見いだされるとして、「弁別・同定の理論」を提唱しています。「ニュ−トンが
リンゴの落ちるのを見て、なぜ月は落ちてこないのかを疑った」という話をもと
に、「リンゴと月の運動の違いを認めた(弁別した)上で、両者の運動に共通し
た本質を類推(同定)しようとして、万有引力(表札)を発見した」という趣旨の
話を紹介しています。
また時を同じくして、東京研究会の吉岡さんから、本題の「課題コンセプト化のための創造的情報処理
プロセス」の話と「等価変換創造理論」、「弁別・同定理論」の話をつなぐ話題として、「ナレッジマネージメ
ント」の紹介がありました。
インタ−ネット時代ですが、大事なことは、情報の収集と発信と共有化であり、「自らの持つナレッジをわかりやすい言葉にして組織のメンバ−に伝え、メンバ−の持っているナレッジを言葉にさせ組織の場に引き出し、組織全体で共有し、活用できるようにすることがナレッジマネージメントの本質だ」という趣旨の話でした。
このプロセスは、「個々人のナレッジに内在している本質的な意味を引き出し、コンセプト化し、全体で共有化しあう」という一連の「コミュニュケーションプロセス」でもあります。この前提としては、問題解決に向けての高い志に裏付けされた「問題意識」が不可欠です。その上で、マネージャーは自分の枠組みを越えて幅広く情報を集め、これを的確にステ−トメント化し、弁別し、同定化し、コンセプトを創造するという「情報処理スキル」としての「コミュニュケーション能力」が問われるのではないかと考えます。
ところで、高橋さんや足立さんから、現代の若者の意識や行動は、我々の価値観からすると理解が難しいという意見がありました。また、長田さんからは会社変革の視点から経営トップの責任問題について話題提供がありました。
ここまでの「等価変換理論、弁別・同定の理論」から言えば、それは我々から遠い存在になっている若者や経営トップを個々にしっかりと弁別した上で、我々と共有化できる本質的な課題をどう同定しあえるかという、我々側の能力の問題として考えなければならないのではないかという問題提起をしておきたいと思います。なお、創造性の問題からすれば、我々との間の距離が遠ければ遠いほど、より高度な同定能力が要求されることになります。
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