研究会情報
朝日新聞の「消費意識・動向世論調査」

  昨年11月の第一回ベルヒュ−ド公開研究会で、平成バブル不況が深刻な理由とともに、景気回復の鍵を握る国民の心理的消費行動について述べました。
 
 現在の日本は、「人間としての生存に必要な消費以外の一般消費が全個人所得の50%以上を占め、かつ一般消費の内、現在の生活を維持するに必要な必需消費意外の選択消費が50%以上を占める」という条件を満たした「新消費資本主義時代」にあります。
  従って、「現在の日本国民は、選択消費の幅を、個人所得の25%〜50%の幅で持っている」ことになり、もし、この選択消費をゼロにすると、現在の必需消費水準を落とさずに、日本全体の消費規模を多くて50%まで、少なくても75%まで縮小させることになる」という話を紹介しました。そして、「日本国民は、
第一、第二の変曲点を認識できない限り、買い控えという心理的消費行動を続けるだろう」という話をしました。
 
 平成11年4月25日の朝日新聞の消費意識・動向調査の記事によれば、「大企業を中心に、バブル経済の崩壊以降抱えてきた雇用、設備、借金という3つの過剰の本格的な整理が始まろうとしており、将来の失業や収入減への不安を抱える人たちが増える一方で、消費は湿りがち。・・・・・・政治が景気回復のためなら、何でもの様相を強め、公共事業や信用保証制度等の大幅拡大、個人には住宅減税や地域振興券等のバラマキ等を進めている中で、
消費者が将来を見る目は切実でさめている」とあります。
 
 「長引く不況で、仕事を失ったり収入が大幅に減ったりする不安を感じている人は80%を越え、暮らしぶりも65%の人が貯金を取り崩したり、意識的に買い控えに走っている」ということですが、
問題は景気回復のためには、国民の消費拡大が不可欠であるとするならば、「将来に不安を感じる中で、どうしたら選択消費が増えるか」を考えることではないかと思います

  調査では、「どんなものにお金を使いたいと思いますか」という質問がありますが、「パソコン等情報機器
が13%、レジャ−や趣味が30%、特にないが37%」と全体の80%になっています。日本人の「和と協調」によってもたらされた成長路線は、バブルの発生と崩壊、大競争時代への到来とともに第一変曲点を迎え、現在はまさに、バブルの後始末を済ませ、新成長路線に向けての第二変曲点を探る時代ということができます。

第一変曲点までは、「和と協調」の時代であるとすれば、今日はまさに「個性化と多様化」の時代です。企業や家庭、地域等の社会の中で、自らの判断と責任で積極的に生きていく姿勢と行動が重視され、評価される時代です。
 国民の消費も、こうした時代認識の中で、自ずと主体的なものになっていくに違いありません。所得が増えれば消費が活発になるのは当然ですが、「消費行動の個性化と多様化の方向で、先の80%の数字を、どう顕在化させるかが、消費者と供給者側双方に期待される課題である」と考えられます。

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