日本生産管理学会
日本版6シグマによる設計品質創造

−開発の事例から−

The Creation of Quality by Six Sigma Activities
−The Case of Mechatronics Products Plan−


要約
 日本が得意としてきた技術集約度の高いメカトロニクス製品も、グローバルな低価格競争の中で苦戦を強いられている。低コスト化のために中国などに生産部門を移管する動きも顕著であるが、必ずしも大量生産を前提としていないため、自動車や家電製品などの分野と比較して、部品調達や組立コストメリットを享受することが困難で、事業としての収益性を向上させるまでには至っていない。 

 今日の低価格競争(Commodity)時代にあって、高性能なメカトロニクス製品の生産供給において、本来の収益を上げることができるためには、
@工場の製品組立工程のみならず、
A商品企画から開発設計まで前工程も含めた
B一連の業務を抜本的に改善し、無駄なコスト「COPQ」(Cost of
 Poor Quality)の流出をミニマムにできなければならない。

 この「日本版6シグマ」の基本的な考え方に基づいて、ここでは前回の大型メカトロニクス製品における「組立工程」に続いて、商品企画を含めた「開発設計工程」における6シグマ活動の展開の事例を紹介する。


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